魔法



何を思ったか、突然女性を作りたくなったもんだから
彫刻して女性を造ってみた。
その木に魔法をかけ、木の彫刻は魂を宿した。
しかし、木で出来ているものだから、動きはどこか
ぎこちない。
ぎぃぎぃという軋んだ音を立てながら駆動する。
それが妙に愛着がわく。
なぜか、手を取って一緒に歩きたくなる。
こいつは木だ、木なんだ。
俺が彫って作った木に過ぎないんだ。
魔法を解いてしまおうか、解かない方が良いか。
彼女に葛藤を抱く。
ちくしょう、まるで俺が魔法にかけられたようだ。
そうか、これは木に魔法がかかったんじゃない。
俺が魔法にかかっただけなんだ。
俺は解除魔法を自分にかける。
すると、彼女はもう木に戻っていた。
しかし、腑に落ちない。
まるで、彼女には命があるようだった。
木を何度眺めても木は木だった。
そこで不意に声をかけられる。
「ねえ、どうしたの?」
その声の方に振り向くと。
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