スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クラスの時間

今日も清々しい空気が流れていく校庭。
私の気分、完璧な私、わたしわたしわたし……。
クラスに入れば三人の友達から名前を呼ばれ、
昼休みは、彼氏の祐也に昼ご飯を誘われ、
困ってる生徒が必ず1日1回は私に相談しにくる。
もちろん、完璧な私の科学力によってそれも答える。
全てが必然……だった。
帰り道、祐也は言った。
「お前、いつまでこれを続けるんだ」
「それはこれからもずっとだよ」
夕日がなぜか物悲しい。
「あのな、こっちの目をみて話せよ。
わかってるんだろ? これがいけないことくらい」
「……やだ。考えない、考えたくない」
私はどこかに駆け出していった。
――無数の可能性がある場所へと。

家に帰り、部屋の布団に入る。
今は寝逃げがしたい。
こんなことしてもどうにもならない。
白い天井を眺めるもそこに浮かぶのは、祐也の顔。
私は間違っていない、間違っていない、間違っているはずがない。
ケースに陳列されている成功結果の道具達を一覧すると、
私がしてきた事が思い出される。気分が益々曇り翳っていく。
そうだ、祐也も洗脳してしまえばいい。
これでクラス全員完全洗脳、全てが私の意のままに。
私は早速、洗脳器具を持って、祐也を呼び出す。
「私が悪かったわ、もうやめる」
そのメールを打つ手に迷いは無かった。
約束した場所に行くと祐也はすでにいた。
「伽耶、お前がクラスを可笑しくしたんだよな」
「ううん、そうじゃない」
わかってるわ、そんな事。
「元に戻せよ。お前はどうしてそんな風になっちまったんだ」
付き合ってて一番辛い事を言われたかもしれない。
「ごめん、ごめんなさい。祐也君」
私は抱きつきながら大粒の涙を出した。
「伽耶……」
祐也は私をそっと抱きしめた。
「ばいばい、祐也」
私は彼に器具を取り付けた。
囁かな風が流れ込んだ。
これでクラスメイトを制覇した。
誰も……何もわかってなかった。
私にこの器具は効果がない。
それは、自分自身が強い意思を持って行動してるから。
彼らの思考全てを私は奪ってはいない。
可笑しいって気づける筈だった。
だけど、彼らは皆、私に魅了されたまま。
あのクラスでは、私だけが時間が流れる。
たった一人の私の為だけに。




スポンサーサイト

コメント

 

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog

FC2Ad


Copyright © SFキャンディ All Rights Reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。